テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
症状
物をつかんで持ち上げるような動作をすると肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。また、タオルを絞る時などにも痛みが出ます。
原因・病態
中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれていますが、一般的には年齢とともに腱が痛んで発症します。病態については十分わかっていませんが、主に短撓側手根伸筋の起始部が肘外側部で障害されることが原因と考えられています。
- ①長撓側手根伸筋
- 手首(手関節)を伸ばす働きをします。
- ②短撓側手根伸筋
- 同様に手首を伸ばす働きをします。
- ③総指伸筋
- 指を伸ばす働きをします。
診断
外来で簡単に行える疼痛誘発試験を参考にします。いずれの試験でも、肘外側から前腕にかけての痛みが誘発されたらテニス肘と診断します。
治療
【保存療法】最初に行う治療です。
- 手首や指のストレッチをこまめに行います。
- スポーツや手を使う作業をひかえ、湿布や外用薬を使用します。多くの場合、これで数力月以内に痛みが軽くなります。
- 局麻剤入りステロイド注射を行います。
- テニス肘用バンドを装麓します。(使用方法は医師にご相談ください。)
【手術療法】保存療法で治らない時などに行います。筋膜切開術、切除術、前進術等があります。