ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
症状
手首の母指側に腫れと混みが生じます。母指には幾つかの腱がついていますが、右図に示す二本が手首の母指側にある腱鞘の部分で炎症を起こして腱の動きがスムーズでなくなります。
- ①短母指伸筋腱
- 主に母指を伸ばす働きをする腱です。
- ②長母指外転筋腱
- 主に母指を広げる働きをする腱です。
- ③腱鞘
- 短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が通るトンネルです。
原因
妊娠時、産後や更年期の女性に起こることが多く、スポーツマンや指をよく使う仕事の人にも見られます。
病態
母指の使いすぎにより、腱鞘が肥厚したり腱の表面が傷んだりして、一層症状が強くなる悪循環が生じます。
診断
母指を内側に入れて握りこぶしを作り、手首を小指側に曲げると痛みが生じます。
治療
【保存療法】最初に行う治療です。次のような方法が主なものです。
- 局所の安静で刺激を少なくしましょう。湿布をしたり、装具を当てて固定する事もあります。
- 腱鞘内に局麻剤入りステロイド注射をして、炎症、痛み、腫れを抑えます。
【手術療法】保存治療で治らないときに行います。腱鞘を切断し、腱を解放します。